キショウブが池や湿地で繁殖しています。
キショウブは、日本生態学会が定めた「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されているとともに、この3月(2015年3月)に公表された「生態系被害防止外来種リスト」にも登載されいます。なお、これまでの要注意外来生物リストは、このリストにかわることになります。
さて、キショウブは、青系が主流のアヤメ属の中で例外的な黄色の花が珍重され、1890年代後半から観賞花卉として輸入されたもので、屋外にも移植され、全国に拡散しています。
※花卉(かき):観賞用に栽培する切花で、その取引する市場を花卉市場という。
繁殖力が強く、水辺の在来種と競合・駆逐のおそれがある。美しい花が親しまれ、観賞用に栽培されることが多いため、分布を拡大するおそれが大きいとされています。
恐るべきは、やはり、その繁殖力です。きれいな花には・・・・
花ですから、実で殖えるのはもちろん、根茎でも殖え、倒れても茎から根をだすのだそうです。さらに、挿し葉でもふえるそうです。特定外来種のミズヒマワリのように、まるでプラナリヤのように葉を千切っても殖えるまではいかないようですが、大変な繁殖力です。
実は、どうも、虫たちにも人気のようで、カラスアゲハ、サトキマダラヒカゲ、イチモンジセセリ、コマルハナバチなどが来ていました。この点でも、ミズヒマワリと似ていますね。
通っている里山では、昨年の夏以来、アメリカザリガニなどにより、ハス、ヒシ、ヨシなどが被害にあっている中で、どういうわけか、キショウブだけは、むしろ、増えているように見えます。
これまでの「要注意外来生物」の指定と同様に、 「生態系被害防止外来種」に指定されても、特定外来生物法に基づく規制の対象とはならないのですが、
1.入れない~悪影響を及ぼすかもしれない外来生物をむやみに日本に入れない
2.捨てない~飼っている外来生物を野外に捨てない
3.拡げない~野外にすでにいる外来生物は他地域に拡げない
の三原則だけでなく、それぞれの場所で、積極的に除去を考えていかなければなりませんね。
コマルハナバチは盗蜜をしているようにも見えます |
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